旅人 最終章

また今日も一日が始まる。

いつものように男たちは水揚げされた魚を選別していた。

180人が住む小さな漁村の男たちは全員漁師。

必ず長男が家を継ぐ。

僕ら世代の若い漁師の姿も見える。

女性たちは小さな魚を掃除して、干物を作る。

これが気の遠くなるような大変な作業。

毎日、淡々とこなしているからすごい!

こんな感じで、、、

 

僕は、ここに来ていつも思うことがある。

それは、絆(きずな)だ。

助け合って支えあって生きている。

当たり前のように、、、

いや、それがないと、ここでは生きていけない。

なぜなら、「運命共同体」だからだ。

 

この小さく強固なコミュニティは、この先もずっと続いていくんだろう。

この固い絆(きずな)は脈々と受け継がれていくんだろう。

また、逢いに来ます。

人のぬくもりを求めて、、、

                                     おわり

 

旅人 その3

民宿としては、掟破りの8時スタートの晩飯。

今回で3回目ということで大目に見てもらった。

さぁ、気を取り直して 「ふぐ&地魚の宴」 はじまりー。

大食漢の僕らが食べきれない位、次々とやってくる。

これが、この民宿の醍醐味。

 

あぁ、またいつものように食べ過ぎてしまった。

僕のお腹はパンパンに膨れていた。

それは、まるで「ふぐ」のようだ。

 

明日、朝7時に獲れたての魚が港に着く。

海で戦う漁師たちの熱気を肌で感じることだろう。

 

もう寝よう。

おやすみなさい。

                              つづく

 

 

旅人 その2

福井県 勝山市にある恐竜博物館。

どうしても行きたいと言い出したのはマダム明子。

本当に行くの?といまいち乗り気のない私。

ところが、、、

入口を入った瞬間、僕のスイッチがONになった。

食い入るように一つ一つ見ていたら、到底すべて回れず、

あっという間に閉館の時間。

「なぜ、もっと早く来なかったのか?」

僕は悔やんでも悔やみきれなかった。

そして、自分の主張を言い通したマダム明子に

大きな拍手を送りたい。

ここまで連れて来てくれてありがとう。

と、余韻に浸ってるのも束の間、僕らは、大急ぎで車を飛ばした。

今日の最終目的地、常神に向かうために、、、

 

日も暮れて、ようやく宿に辿り着いた。

そのとき、時計の針は7時半を差していた。

 

                              

                                 つづく