技術の進歩

瀬戸内から届いた魚たち。

海のない長野県だが、今は新鮮な魚が手に入る。

昔は富山や新潟からブリを塩漬けにして何日もかけて運んだという。

その名残りか諏訪では今でも正月にブリを食べる習慣がある。

この山国で鮮度の良い魚を頂けるのは、ほんと最近になってからだ。

改めて配送技術に感謝したい。

そしてその新鮮な魚たちを生かすも殺すも料理人次第。

素材と向き合う日々が続く。

 

 

自然と向き合う

僕は洋梨を買うときここに来る。

塩尻にある塩原農園。

今頃は5~6種類の追熟した洋梨が売っていて、食べ頃のもの、

やや硬いものなど用途に応じて好みを言えば出してくれる。

もちろん果樹園なのでりんご、梨、葡萄、プルーンなどいろいろ揃っている。

今年は台風15号のせいで飯田、伊那地方の洋梨が市場に出回ってない。

この塩原農園は最小限に留めた。と言っていた。

台風や雹への対策は年々強化していると言う。

 

自然が相手だ。本当に難しい。頭が下がる。

 

 

京都の敷居

僕らは京都へ向かった。

風情が残るこの街はいつ来てもいい。

紅葉はまだ早かった。

それでも充分だった。

僕らは決まって先斗町の割烹に行く。

大将に逢うために。

その大将と女将さん。

とても仲のいい夫婦だ。

この夫婦見てると僕らと似てるなぁとしみじみ思う。

15年後の僕らを見ているようだ。

大将は京都に身構えてた僕らの心をほぐしてくれた。

初めて行ったその夜、バーに連れられ、結局朝5時まで大将と飲み明かした。

かっこつけなくてもいい、背伸びしなくてもいい、片意地張らなくていい京都を見つけた気がした。

やっぱり人は人に逢いに行く。

何度もその店に通うということはそういうことである。