下諏訪を夜中の12時に出発して着いたのは朝の8時。

向かった先は宮城県の南三陸町。

この日は本当に寒かった。

月一回開かれる福興市で僕らはパスタ入りミネストローネを売った。

で、その収益を現地に置いてくるという仕組み。

お金の流れができる。それを復興の予算に充てる。

あの日からもうすぐ一年が経とうとしているのに、ここは時が止まっていた。

自分の目で見て何を思うのだろう?どんな感情が湧いてくるのだろう?

と現地を見る前は考えていた。

でも実際、この光景を目の前にしても不思議と落ち着いた冷静な感情だった。

たぶんそれは、あまりにもスケールがでかすぎて自分がこの現実をうまく飲み込めることができなくて、頭の中が停止した状態だったと思う。

それが素直な僕の感想だった。

原さんをはじめ、僕らをこの場所に連れて来てくれたみんな、ありがとう。

またみんなと遠征したい。

 

僕はこの光景を自分の心の中に焼き付けた。

だから、何年経っても忘れない。

 

 

 

 

 

自然の力

僕らは、東御市の小山さんに会いに行った。

小山さんは自分たちで葡萄を作りその葡萄でワインまで作っている

ワイナリーの生産者である。

ここは南斜面のなだらかな丘陵地。日照時間も長い。昼夜の寒暖差もある。

水はけもよい。地中のミネラルも豊富だ。

小山さんは言っていた。

「この土地がいいワインを生み出す。僕はその手助けをしている。」と。

僕はふと、牡蠣の養殖をしている矢竹さんを思い出した。

二人の言っていることは全く一緒だった。

 

尽きることない小山さんの話は楽しく、分かりやすく、そして希望に満ちていた。

 

力強い土壌があれば、いいワインができる。

力強い食材があれば、うまい料理ができる。

 

だから僕は探しに行く。

もっと僕の料理がおいしくなるために、、、

 

 

 

時間

僕は今年初めて生ハムに挑む。

諏訪では標高が低いため夏を乗り切れない。

そのため場所は姫木平(1500m)で仕込む。

友人の藤原さんに教えてもらいながら塩を擦り込む。

うまくいけば2年後にはDANLOに登場する。

みなさん首を長くして待っていてほしい。

 

僕が生ハムの味を作るわけじゃない。

時間が作るものだから、、、