人間の使命

僕は毎年この時期になると、豚の様子を見に小谷村を訪れる。

今回は生産者の一人、松井さんに逢うことができた。

冬に2mも積もる雪も今はすっかり消え、豚が放牧できる季節となった。

バラバラにいた豚たちも松井さんが来ると、

「遊んでくれ!」と言わんばかりに寄ってくる。

警戒心が全くなく、とても、人なつっこい。

 

小谷放牧豚の一生。

まず、3月頃に生まれた赤ちゃん豚を2ヶ月間、専用の豚舎で体重が30kgになるまで育てる。

その後、トラックで運ばれて、放し飼いをする。沢の水、澄んだ空気、山の傾斜でストレスのない

環境で遊ばせる。

豚は一日、約3kの餌を食べる。体重が一日約700g増える。

4ヶ月間放牧すると、だいたい体重が110k位になる。

9月の終わり頃、ここにいる豚たちはトラックで運ばれて屠畜場へと向かい一生を終える。

そして僕ら人間がその肉をいただく。

だから、、、

ハンバーグでも、餃子でも、しょうが焼きでも、ソーセージでも、カツ丼でも、肉じゃがでも、

どんな料理でも残さずに食べてほしい。

大切に味わって食べてほしい。

家庭でも、ファミレスでも、ラーメン屋でも、もちろんDANLOでも。

 

それが命をいただいている僕ら人間の使命だから、、、

 

                                      つづく

 

 

 

あの時の、、、自分

大町サッカー場に着いた。

綺麗に手入れされた芝は選手のモチベーションを上げる。

僕は足が動かなくなるまで走ろうと決めた。

キックオフの笛が鳴った。

な、なんだ! この感じは、、、 金縛りのような、、、

鉛のように重い体がいうことを聞かない。

足はもつれ、一人で転ぶ。

観客の笑い声が聞こえる。

15分も経った頃、交替を余儀なくされた。

「悔しい」と「当然だな」と思う気持ちが同時に沸いた。

 

チームを引っ張るどころか皆の足を引っ張っていた。

あぁ、20年前にもどりたい。

こんなんじゃないんだ、僕の実力は。

いや、これが現実なんだ。

まぎれもない事実なんだ。

 

あの時の僕はもうここにはいないんだ。

 

 

梅雨の舞い

暗闇を抜けるとその先には、この世のものとは思えない

幻想的な世界が広がっていた。

これが「ホタルの舞い」だ。

映画でもCGでもない。

この世に実在する光のダンス。

それは儚い命の代償。

美しいものはいつも儚い。

写真では伝わらない。

自分の目で見に行こう。

美しすぎる光の世界を、、、

 

                     場所 辰野市 松尾峡 ほたるの里