大きな誤り

清水牧場にやっと着いた。

ここの暮らしはいつ来ても変わらない。

激動するこの世の中で、ここだけはゆっくりとした時間が流れている。

世間に左右されることなく清水夫婦は生きている。

あぁ、なんて究極な生き方なんだろう。

僕には出来ないが羨ましい生き方だ。

と思いきや、、、

清水さんの口から思いもよらぬ言葉がとめどなく溢れ出た。

震災、原発の政府の対応、憤り。韓国全土に広がる口蹄疫の問題。

中国の脅威。これからの自衛隊の在り方。海外メディアの視点。などなど

世界情勢まで話しが発展していった。

 

この山の中で、ただひたむきにチーズ作りだけに専念して生きていると思っていた。

僕の大きな勘違いだった。

そうだ、こういうことだ。

第一次産業(生産者)の人が一番ちょくに国の政策に翻弄されるんだ。

それで廃業に追い込まれたり、自らの土地を手放したり、

生き方そのものを変えないといけなくなる。

国の考え方、世界の流れ、世の中の動きによって、大きく左右される職業なんだ。

今更ながらに気がついた。

生産者の人こそ、国の政策や世界情勢に敏感なのかもしれない。

僕はここまで来て良かった。

いろんな話ができたし、何にせよ清水さんの笑顔が見れたのだから、、、(えっ、親子?)

 

 

                                        おわり

 

伝統食

奈川村にある一軒の蕎麦屋に立ち寄った。

このあたりの郷土食、とうじそばである。

一箸分のそばを「とうじ籠」(写真)に入れてしゃぶしゃぶのように頂く。

 そばを投げ入る様から「投汁そば」とも言う。

かつては冠婚葬祭のごちそうとして振る舞われた。

お米も採れず、寒さ厳しいこの地域が生み出した誇り高きそばである。

充分味わって食べよう。

腹ごしらえも済ませ今日の大本命、清水牧場に向かう。

一年半ぶりの再会。

早く、清水さんの笑顔を見に行こう。

                             つづく

一日天下

6月7日。

ただの平日の火曜日と思ってる人。

違うんです。この日は特別な日なんです。

もう、お分かりですね。

そう、僕が38年前に生まれた日なんです。

みんなを代表して僕が言います。

「おめでとう!」

家に帰ったら夜食(世間でいう夕食)が待っていた。

マダム明子の手料理の数々。

昼間、僕がいない間に下準備をしていたようだ。

思わぬ展開に「嬉しさ」と「ありがとう」がこみあげてきた。

どれも、品のある優しいお味でした。

料理とは人柄が出てしまうんですね。

神様! 妻の優しさが今日だけで終わりませんように、、、

     明日も続きますように、、、

     

     

     毎日が6月7日でありますように、、、