諏訪の味方

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諏訪の田辺にあるトマトは美味しい。

伊藤さんはこの地で古くから農業で生きてきた。

40年前まで養豚もやっていたという。

諏訪にも代々続く農業一筋の家族がいることにまず驚いた。

そして伊藤さんの畑はとてもきれいだ。

こんな手入れの行き届いた畑は見たことがない。

寸分の狂いのない養生は見事だ。

トマトも美味しくなるのは当然のことだ。

この畑を見ればわかる。

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しっかり張りがあって重い。

数ある品種の中から伊藤さんが選んだのは麗夏だ。

甘みと酸味のバランスがいいジューシーなトマトだ。

気温も下がりこれから更に美味しくなっていく。

楽しみだ。

何度も言うが野菜は近ければ近い方がいい。

DANLOから車で10分。

心強い味方だ。

 

 

情熱

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ここは一体どこなんでしょう?

大自然の中でのびのびと牛が放牧されています。

僕らが近づいても逃げる素振りもなくひたすら草を食べています。

牛にとってここはストレスフリー。まさに楽園。

標高1600mにある菅平のダボス牧場が今回のブログの舞台です。

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この方が今回の主役。

30年以上ここ菅平で牛を繁殖、飼育してきた畜産一筋の伊藤さんです。

伊藤さんはとにかく明るくて元気な方。

正直、圧倒されました。彼の生き方、考え方、情熱、心の強さ。

今までいろんな畜産の生産者にお会いしましたが

こんな人は初めてでした。

こんなに好奇心、探究心があって貪欲で常に新しい事に挑戦しようとする姿は衝撃的でした。

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短角と黒毛の交雑牛

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中ヨークの純粋種

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サフォーク種

伊藤さんは牛以外にも豚、羊も飼っています。

どれも数が少なくすでに行き先が決まっています。

それって生産者にとっては理想の飼い方ですよね。

でもそうなるには長い年月の中でようやくたどり着いた経営の形なんだと思います。

その時その時の時流を読みながら、でも信念は曲げずにやってきた結果なんだと思います。

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畜舎を見学した後、伊藤さんの自宅で中ヨーク豚の肩ロースやソーセージを戴きました。

試食会というよりはむしろ昼飯でしょ!というくらいたくさん戴いちゃいました。

まずそのおもてなしに驚きました。

ふつう生産者の方が自分で育てた牛や豚の肉を自家用として持っているのは稀なケースで

仮に持っていたとしても焼いて僕らに食べてもらって直接食べた感想を聞きたいと思っている生産者はいないと思う。

伊藤さんは使う側の意見やどう料理するのか知りたいと言う。

ここまで料理や料理人に興味があって最終的に自分の育てた牛や豚がどう料理されていくのか

本気で見てみたいと思っている。

だから衝撃を受けたのだ。

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帰り際に昨日屠畜したという羊の内蔵をお土産に頂いた。

かなり貴重なものだ。

初体験の羊のモツ。

伊藤さんに恥じないような作品に仕上げないといけない。

かなりのプレッシャーだ。

お土産なんかじゃない。これは宿題だ。

この宿題を採点してくれる先生はもちろん伊藤さんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

見えないものを見る力

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今年の新作です。

アスパラガスのパンナコッタ。

優しい甘みとほのかな苦みがいい。

そこにサワークリームのソースとチーズのクッキーを添えました。

ここに使うアスパラは下の部分です。

長さを揃えるために5〜6cm下の部分を落とします。

どうしてもこの部分が大量に出てしまいます。

ほとんど破棄してしまうのが現状です。

それは本当にもったいない。

何とか生かす方法を考えなくては、、、

そう思い誕生したのがこの作品です。

 

生産者が近いといろんなことが見えてくる。

豚にしたって野菜にしたって果物にしたって商品にならず

やむなく捨ててしまっているという現実がどこにでもある。

もったいないなぁと思いながら毎日捨てているもの。

そこに目を向けないといけない。

料理人も生産者も。

 

スーパーで売られているアスパラを見て

「なんでみんな同じ長さで揃っていてしかもこんなにまっすぐなんだろう?」

と思い、

「大量の下の部分や曲がったもの傷がついたものはどこにあるんだろう?」

そして

「この市場に出回らないものをなんとか手に入れ、生かせる方法はないかな?」

と、ここまで想像できるのが優れた料理人なんだと思う。

僕はそういうところにまで目が向いている料理人は尊敬するし、かっこいいと思う。

僕はそんな料理人になりたい。