バカールは渋谷のはずれにあるフレンチ。
なかなか予約の取れない店として有名だ。
どうしても気になっていて、僕らは前々から予約を入れていた。
僕はレストランで料理の写真や店内の写真はまず撮らない。
でも今回は撮った。
なぜなら、衝撃を受けたからだ。
店の扉を開けた瞬間、コンサート会場のような熱気が充満していた。
いい店の空気だ。
一番最後に入った僕らは、この空気感に圧倒されていた。
その空気感の仕掛け人がこの人。
サービスの金山さんだ。
彼は軽快なテンポで次々と料理やワインの説明をしていく。
元劇団員か、もしくはディズニーランドのジャングルクルーズの船長かって言うくらい
おもしろ、たのしく会話を進めていく。
まさに彼のトークショーを観に来たのかっていうくらい印象的なものだった。
マダム明子もその妙技にただただ見惚れていた。
僕らは「いいもの」を見た気がした。
それを諏訪に持ち帰って、また明日から仕事をしよう。
僕はレストランという仕事が益々好きになった。