BBQ会

今年初のバーベキュー。

メンバーが2人増えた。 K夫婦だ。

昨年、研修期間を終え、見事試験をクリアーして

正式にこの会の一員になった。

ただの遊びではない。

いつだって真剣勝負。

だから、厳しいルールを作る。

当然、縦社会になる。  はずが、、、

ご覧の通り、僕が決まって肉を焼く係り。

「毎日、仕事で肉焼いてんだから今日くらい休ませろー」

と言った。

「松本シェフが焼いた方が絶対おいしい!」

みんながそう言った。

もちろん悪い気はしなかった。

「やっぱり、そうだよな。」

僕は即答した。

あぁ、僕はこの大きな木の下でも肉を焼いている。

そうだ、それが僕の宿命なんだ。

 

     【豚肉を いつも焼いてる 皮肉にも】

 

 

 

 

大きな誤り

清水牧場にやっと着いた。

ここの暮らしはいつ来ても変わらない。

激動するこの世の中で、ここだけはゆっくりとした時間が流れている。

世間に左右されることなく清水夫婦は生きている。

あぁ、なんて究極な生き方なんだろう。

僕には出来ないが羨ましい生き方だ。

と思いきや、、、

清水さんの口から思いもよらぬ言葉がとめどなく溢れ出た。

震災、原発の政府の対応、憤り。韓国全土に広がる口蹄疫の問題。

中国の脅威。これからの自衛隊の在り方。海外メディアの視点。などなど

世界情勢まで話しが発展していった。

 

この山の中で、ただひたむきにチーズ作りだけに専念して生きていると思っていた。

僕の大きな勘違いだった。

そうだ、こういうことだ。

第一次産業(生産者)の人が一番ちょくに国の政策に翻弄されるんだ。

それで廃業に追い込まれたり、自らの土地を手放したり、

生き方そのものを変えないといけなくなる。

国の考え方、世界の流れ、世の中の動きによって、大きく左右される職業なんだ。

今更ながらに気がついた。

生産者の人こそ、国の政策や世界情勢に敏感なのかもしれない。

僕はここまで来て良かった。

いろんな話ができたし、何にせよ清水さんの笑顔が見れたのだから、、、(えっ、親子?)

 

 

                                        おわり

 

伝統食

奈川村にある一軒の蕎麦屋に立ち寄った。

このあたりの郷土食、とうじそばである。

一箸分のそばを「とうじ籠」(写真)に入れてしゃぶしゃぶのように頂く。

 そばを投げ入る様から「投汁そば」とも言う。

かつては冠婚葬祭のごちそうとして振る舞われた。

お米も採れず、寒さ厳しいこの地域が生み出した誇り高きそばである。

充分味わって食べよう。

腹ごしらえも済ませ今日の大本命、清水牧場に向かう。

一年半ぶりの再会。

早く、清水さんの笑顔を見に行こう。

                             つづく