あの時の、、、自分

大町サッカー場に着いた。

綺麗に手入れされた芝は選手のモチベーションを上げる。

僕は足が動かなくなるまで走ろうと決めた。

キックオフの笛が鳴った。

な、なんだ! この感じは、、、 金縛りのような、、、

鉛のように重い体がいうことを聞かない。

足はもつれ、一人で転ぶ。

観客の笑い声が聞こえる。

15分も経った頃、交替を余儀なくされた。

「悔しい」と「当然だな」と思う気持ちが同時に沸いた。

 

チームを引っ張るどころか皆の足を引っ張っていた。

あぁ、20年前にもどりたい。

こんなんじゃないんだ、僕の実力は。

いや、これが現実なんだ。

まぎれもない事実なんだ。

 

あの時の僕はもうここにはいないんだ。

 

 

梅雨の舞い

暗闇を抜けるとその先には、この世のものとは思えない

幻想的な世界が広がっていた。

これが「ホタルの舞い」だ。

映画でもCGでもない。

この世に実在する光のダンス。

それは儚い命の代償。

美しいものはいつも儚い。

写真では伝わらない。

自分の目で見に行こう。

美しすぎる光の世界を、、、

 

                     場所 辰野市 松尾峡 ほたるの里

その先にあるもの

なかなか行けずにいた勝沼醸造。

やっとこの機会に訪れた。

 

 志村さんの分かりやすい説明で案内してくれた。

世界のワインの歴史。勝沼の葡萄の歴史。国産ワインの現実。

日本政府(国税庁)の考え方。地元農家との関わり。後継者の問題。

温暖化への対策。そして勝沼醸造の未来。

短い時間の中でいろんな事を話してくれた。

製糸業から始まった勝沼醸造が今大きな転換期にきている。

今まで植えてあった葡萄の木(カベルネソーヴィニョン、メルロー)を抜いて

そこに甲州(日本原産のワイン用ブドウ品種)を植えるという。

しかも垣根式栽培でやる。(写真上)

無謀とも言える挑戦が始まった。

ちゃんとしたブドウができるまで最低5年はかかる。

その間、この畑はお金を生まない。いや、むしろお金を費やす。

そもそも5年後にいいブドウができる保障なんてどこにもない。

会社のしては苦渋の選択だったに違いない。

僕は、なんでそこまでリスクを冒してまでやるんだろうと思った。

志村さんは笑いながら答えた。

「やらなきゃ何も始まらないでしょ?」

こうも言った。

「世界と戦える品種は甲州しかない。」

 

 

勝沼醸造は夢と希望と使命を胸に、新たな一歩を踏み出した。

僕も大きな一歩を踏み出そう。

未来を信じて、、、、