下諏訪、御田町にあるTAC CAFE。
僕と同い年のタックさん(本名 立石 巧)が店を仕切る。
パリのビストロを再現した店内、名物のガレット、料理の数々は
彼のセンスが遺憾なく発揮されている。
もともと、絵を描く芸術肌。そう聞けば合点がいく。
そして、彼のキャラクターに惹かれて足繁く通うファンも多い。
僕もその一人だ。
僕にはない才能を彼は持っている。
連日、流れる映像を見て、僕が今生きているのは
普通のことじゃなくて奇跡なんだと思うようになった。
たまたま、生き残っていると思った。
海沿いにいようが、山の中にいようが、街中にいようが、
起こりうることなんだと思った。
日本にいる限り、いや、地球に住んでいる限り起こりうることなんだと思った。
全く比にならないが、5年前僕の店は水に埋もれた。
人間の想像は、せいぜい、床上浸水くらいなものだろう。
まさか、町が一瞬にしてなくなるとは誰も想像しない。
だから、僕が経験した水害は、想像の範囲内だったと言える。
この最悪な状況は、日本が日本人がひとつになる時だと言っている。
民主党も自民党も関係ない。日本国民全員がひとつになる時だ。
一人一人が今、自分ができることを考える時だ。
店が水害にあった時、友人が募金してくれたり、
県内外から、たくさんのボランティアの人がすぐ、応援に来てくれた。
とても心強かったし、なえていた気持ちが救われた。
その時のことを思い出す。
だから、今回は僕らが応援する番だ。
必ず人は、人の力で再生すると信じている。