精神力

掃除も終わり、「さぁ帰ろうか。」と言う時だった。

トントンとドアを叩く音がした。

同業のお友達、山田君だ。

大きめのダンボールを一つ置いて足早に去って行った。

そうだ、思い出した!大量に採れたバジル届けますって言ってた!

僕らは、すっかり忘れていた。

これがそのバジル。

すがすがしい香りが真夜中のDANLOをたちこめる。

それにしても相当な量だ。

明日、ペーストにしようか。

いや、今日やろう。

マダム明子が言った。(たくましい!)

明子がどんどんバジルを掃除をして僕がペーストにしていった。

ミキサーで回して、詰めてまたミキサーで回して、、、

 

2時間が経過、、、、

 

ようやく、終わりが見えてきた。

ふと気が付くと夜中3時を過ぎていた。

 

長い一日が終わった。

 

僕はこの作業をしながらずっと思っていた。

今年は畑を辞めた。そこに時間は取られていない。

だから作ってくれたものを加工するのにいくら時間がかかっても

それは料理人として当然のこと。

餅は餅屋。と言った以上、当然なこと。

何時になろうと当然なこと。

 

もっと自分に厳しくないといけないな。

精神的に強くないといけないな。

僕は二人に気づかされた。

 

ありがとう、山田君。ありがとう、明子。

 

 

 

 

おもてなし

今日は、友人のT夫婦を家に呼んでホームパーティー。

マダム明子が腕をふるう。

なんだか最近、明子は人を家に招き好いている。

 

もともと明子は料理が好きだった。

辻調理師も卒業している。

しかし、店を始めて明子は料理をしなくなった。

それは、僕が店で賄いを作るからだ。

でも今、明子の何かが目を覚ました。

眠っていた、「料理したい!」という気持ちが溢れ出たのだ。

それは、とてもすばらしいことだ。

しかし、ブームみたいな一過性なもので終わってしまうのでは?

そんな不安が僕の心をよぎった。

 

明子が飽き子にならないことを祈るばかり。

 

 

 

 

 

 

 

夏のスペシャリテ

見よ!この美しきとうもろこしよ。

今にも飛び出しそうな張りのある実。

このみずみずしさが採れたての証。

今年は原村の小池さんから直接頂いている。

小池さんはとても気前のいい、おおらかな人だ。

人の良さがにじみ出てる。

長年、農業に携わってきた経験と技術。

標高1000mが生み出す野菜の力強さ。

抜群の鮮度が保てる畑とDANLOの距離。

 

今年もやってます。

恒例のとうもろこしのババロア。

 

やっぱり野菜は自分で作るもんじゃない。

買うもんだ。