僕の親孝行

梅雨も明け、諏訪地方も夏本番を迎える。

そんな雲だった。

今、僕らは霧ケ峰高原に来ている。

手に届きそうなほど、空が近い。

高原のバナナ?

いや違う。これは花のつぼみだ。

そう、ニッコウキスゲ。

一般的にはゼンテイカ(禅庭花)と呼ばれるユリ科の多年草。

栃木県の日光地方のものが有名でその名が付いた。

今週末、泊まりに来た僕の母は、「きれいね。」

と何度も言った。

 

「いい親孝行ができたなぁ。」

我ながら感心していた。

 

でも実は、

「ニッコウキスゲを見に母を連れて行こう!」

と言い出したのは、僕ではなく、マダム明子だった。

 

「明子が親孝行してくれた。」

これが正しい言い方。

 

「たまには実家でも帰るか。」

僕は、ふとつぶやいた。

 

 

人材発掘!

富士見のテーブルランドにて、小淵沢、富士見、原村を中心に

個性豊かな人たちが集まった。

何でも作ってしまったり、何でも興味があって、いろんな事に詳しい人が多い。

諏訪の人たちとはちょっと印象が違う。

たぶん、自然がより近いから、物事に逆らわず生きている気がする。

自分のペースで楽しんでいる人が多い。

そんな人たちと触れ合えたのは、僕にとって新鮮だった。

諏訪は都会に近い。

富士見は自然に近い。

僕はどっちも好き。

どっちの人たちも好き。

 

これは、ほんの一部に過ぎない。

まだまだ眠る富士見の個性人を掘り起こしたい。

 

富士見はDeepだ!

 

 

 

 

料理人の使命

ただおいしい料理を作るのは意味がない。

それは僕の仕事ではない。

今まで生きていた豚が冷たい豚肉になるまでの過程を知って焼くのと

そんなこと考えないで焼くのとでは、えらい違いだ。

味に差がでなくても、その店の差となってきっと出てくる。

うまく言えないけど、それが「その店の哲学」だと思う。

その料理人の哲学だと思う。

僕はここまで知っていないと豚を焼く資格がないと思っている。

自分で豚を育ててるわけじゃないから、、、

せめて知っておくこと、作り手(生産者)の人と話しをすることがとても重要だと思っている。

だから僕は毎年ここに来る。

「今年もよろしくお願いします」という気持ちを込めて、、、

 

僕の料理がお客さんにおいしいと言ってもらえるのはこの人たちがいるから、、、

そう思っていつも肉を焼いている。

 

それが僕の哲学なんだと思う。

 

                                    おわり