ひとつになる

連日、流れる映像を見て、僕が今生きているのは

普通のことじゃなくて奇跡なんだと思うようになった。

たまたま、生き残っていると思った。

海沿いにいようが、山の中にいようが、街中にいようが、

起こりうることなんだと思った。

日本にいる限り、いや、地球に住んでいる限り起こりうることなんだと思った。

 

全く比にならないが、5年前僕の店は水に埋もれた。

人間の想像は、せいぜい、床上浸水くらいなものだろう。

まさか、町が一瞬にしてなくなるとは誰も想像しない。

だから、僕が経験した水害は、想像の範囲内だったと言える。

 

この最悪な状況は、日本が日本人がひとつになる時だと言っている。

民主党も自民党も関係ない。日本国民全員がひとつになる時だ。

一人一人が今、自分ができることを考える時だ。

店が水害にあった時、友人が募金してくれたり、

県内外から、たくさんのボランティアの人がすぐ、応援に来てくれた。

とても心強かったし、なえていた気持ちが救われた。

その時のことを思い出す。

だから、今回は僕らが応援する番だ。

 

必ず人は、人の力で再生すると信じている。

 

アルバからの訪問客

イタリアは白トリュフで有名なアルバの町から

僕らの友人、マルコとタカヨが諏訪にやってきた。

何年ぶりの再会だろう。

マルコは初来日。見るものすべてが新鮮だったにちがいない。

僕は、初めてローマに降りた時、鳥肌が立った。

そして、すべてに圧倒された。

僕は、マルコを酒蔵に誘った。

今ちょうど、どこの蔵も仕込みの真最中。

そんな忙しい中、御湖鶴さんは快くOKしてくれた。

僕らも実際やってるところを見て、体験しないと

わからないことだらけだったので、とてもためになった。

マルコも興味津々。熱心に話を聞いていた。

とにかくマルコは稀に見る真面目なイタリア人である。

よっぽど、御湖鶴の社長の方がイタリア人的である。

次の日、マルコとタカヨは京都へ向かった。

今度は二人に、いつ逢えるだろう。

そうだ、僕らがアルバに行こう。

町中がトリュフの香りで包まれる頃に、、、

 

 

信濃と甲斐の集い

山梨県、河口湖にあるイタリアン。 CASA OSANO

ここの夫婦とは同世代で店のオープンも1ヶ月違い。波長も合う。

そこで、僕ら4人は、自分たちで5周年を祝った。

乾杯!おめでとう!! お互いに、、、。

おいしいワインと料理片手に僕らは、

いろんな話をした。(あまり覚えてないけど、、)

 

あっという間に時間は過ぎ、朝方になって眠りについた。

この日、4人で6本のワインを空けた。

ただの飲み会ではあったが、意味のある飲み会だと思っている。

それは、甲信越地方の結束を更に深めたわけだから、、、。

そういうのって重要なこと。

お互い意識して高めていけばいい。

「あいつが頑張ってんだから、俺も頑張んないと。」みたいなやつ。

 

 

それともう一つ大事なことは、

店として真価が問われるのは、これからの5年間だということ。

 

いままでの5年間より、これからの5年間。

僕は、もう一度、気をひきしめた。