僕らは、朝倉さんの畑を見に茅野市玉川に向かった。
諏訪市中洲にあるCIAO(イタリアン)の平林さんが誘ってくれた。
朝倉さんの野菜の出荷先は東京が中心のようだ。
で、地元の飲食店の方にもっともっと使ってほしいというのが今回の狙いだ。
僕らもそれを望んでいたから最高の形だ。
朝倉さんは言った。
いい土さえ作れば後は勝手に野菜は育つと。
普通この辺の農家は春先に土を作り始める。
でも朝倉さんは違う。
真冬が勝負。特に雪がふる前がいいと。
試行錯誤しながら、常識を覆し、果敢に攻めている姿勢が際立っていた。
そして、毎朝3時に起きて畑に行くという。
僕は言った。
「辛くて今日はいいやって思うこともあるでしょ?」
「何言ってるだ、野菜(作り)は、おもしれ〜ぞ。楽しくてしょうがね〜さ。」
朝倉さんはそう言いながらケロッと笑った。