諏訪から1時間。長谷村。
山あいの小さな集落にざんざ亭がある。
ここは山の民宿で地のものを出してくれる。
今の時期なら、きのこ、鹿、猪、岩魚、などなど。
僕と同い年の大将が腕を振るう。
常に食材と向き合いながら、独自の料理を生み出している。
それは料理を口にすれば分かる。
岩魚をゆっくり遠火で焼きながら骨まで食べさせる。
つきっきりで状態を見極める。
囲炉裏は何となく落ち着く。
日本人のDNAがそう感じさせるのか?
こんな空間には日本酒が合う。
高遠の地酒と共にゆっくりとした時間を過ごす。
あぁ、なんて贅沢な時間なんだ。
ただひたむきに、まっすぐに、純粋に物事に打ち込んでいる姿がまぶしかった。
こういう場所にいると自然とそうなるのかも知れない。
ここに居た短い時間、僕らの邪心は確かに消えた。