素材ありき

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僕の好きな野菜の一つ。それはアスパラガス。

見た目もかっこいいし、優しい甘さと何にでも合う懐の深さ。

そして何より華がある。皿の上での存在感は群を抜いている。

今回のアスパラは諏訪の上原農園さんのもの。

鮮度が命のアスパラ。こまめに欲しい。

だから近いと本当に助かるし心強い。

ちょうどこの1ヶ月が最盛期となる。

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アスパラと清水牧場山のチーズグラタン

存在感のある二つの食材が喧嘩することなく見事に調和しています。

こういう料理が完成した時、僕は幸せを感じます。

決して華美ではなく実直な料理。シンプルなのに滋味深い料理。

常にそこを狙って料理を考えてます。

 

華美は性に合ってない気がします。

 

日本のいいところ

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五島よりお魚届きました。

日本全国で真鯛は穫れるとは思いますが

五島の真鯛は品があって味が濃いように感じます。

特に頭を食べるとその美味しさがわかります。

春までのこの時期が一番美味しいと思います。

世界中見てもこんなに美味しい魚が食べられるのは日本が断トツだと思います。

魚自体の美味しさ、活け締めの技術、目利きのプロ、氷のあて方、流通のスピード、運送時の気遣いなど

どれも素晴らしい。どれも世界トップレベル。

だから日本の魚は美味しい。

これこそが世界に誇るクールジャパン。

 

 

意外な言葉

今回は大町の黒豚を紹介します。

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生産者の飯島さんは養豚一筋。豚への情熱は半端ない。

良いものを作るための努力は惜しまない。

常にいい方法はないか、探しているという。

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飯島さんは子取り(繁殖)もやっている。

これはすごい!ことなんです。

普通、繁殖は繁殖業者がいてそこから仔豚を買って飼育するのが一般的。

特殊な設備も必要ですし、親豚の管理、生まれたての赤ちゃん豚の病気。

いい血統を守るためのバランス。種豚の確保。とにかくいろんなリスクがつきまとう。

神経がいくつあっても足りないくらいだろう。

何かのウイルスにかかったらすべて全滅。

並大抵の人じゃできない。

かなりの知識と覚悟がないと繁殖と飼育の両方はできないということ。

だから飯島さんはすごい人なんです。

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いつもお世話になっている肉屋のまる公さんとJAの丸山さんも一緒に。

豚舎を見学することができたのはお二人のおかげ。

お二人の理解がないと直接行く事はできない。

生き物を飼うということはそれぐらい神経を使うということだ。

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飯島さんの黒豚はとてもツヤツヤして綺麗だ。

今までいろんな豚を見てきたがこんなに張りがあって艶がある豚は初めてだ。

見た目がすでにおいしそう。

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「なんで飯島さんの豚は美味しいんですかね?」

とシンプルな質問を僕は飯島さんにしてみた。

そしたらこんな答えが返ってきた。

「育ちより氏だでね」

ちょっと意外だった。

餌や育て方に秘密があるのかなと思いきや一番大事なのは血統だ。と言うこと。

DNAさえよければ特別なことをしなくてもいい豚ができる。とも言える。

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僕は後で分かった。

飯島さんだからこんな事が言えたんだ。と。

繁殖と飼育の両方をやってるからこそ出てきた言葉なんだと思う。

 

「育ちより氏」

人もそうなのかもしれないなぁ。