奈川村にある一軒の蕎麦屋に立ち寄った。
このあたりの郷土食、とうじそばである。
一箸分のそばを「とうじ籠」(写真)に入れてしゃぶしゃぶのように頂く。
そばを投げ入る様から「投汁そば」とも言う。
かつては冠婚葬祭のごちそうとして振る舞われた。
お米も採れず、寒さ厳しいこの地域が生み出した誇り高きそばである。
充分味わって食べよう。
腹ごしらえも済ませ今日の大本命、清水牧場に向かう。
一年半ぶりの再会。
早く、清水さんの笑顔を見に行こう。
つづく
すいかの産地で有名な松本市波田町。
ここで完全無農薬で野菜を作っている人がいる。
降幡さんだ。
僕は無農薬を疑っていた。
不可能だと思っていた。
おいしくて、見た目がきれいで、生産性も上げて、なおかつ
市場に出す商品にするには、化学肥料やある程度の農薬はやむ終えないと思っていた。
でも降幡さんは可能だと言い切った。
確かに、降幡さんの畑をみれば分かる。
雑草が生えないようにマルチで覆い、虫が野菜に付かないように
手作りの「虫ホイホイ」(写真上)を作ったり、ほかにもたくさん
知恵と工夫に溢れていた。
生産性と完全無農薬。
この対極にある2つの両立をめざす。
僕は思う。
志の高い人の目はいつも輝いている。
間違いなく降幡さんはその一人だ。