有秋の美

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去年に引き続き、今年も山菜旅館の千代田荘へ。

ここは沢山のきのこを食べさせてくれる。

もちろん天然なもの。家族総出で採りに行くという。

でも、今年のきのこはタイミングが難しかったから相当なプレッシャーだったに違いない。

採れる時はいくらでも採れる。採れない時は全く採れない。

当たり前のことだけど、それが自然なもの。天然なものということ。

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そんな中で何とか見つけてくれた貴重なきのこを味わう。

そして僕らのテンションが最高潮に達した本日のメイン料理が、、、

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ショウゲンジどっさりのすき焼き。

たまたま昨日、自宅近くの山で採れたと言っていた。

どうやら僕らもタイミングがよかったようだ。

自然の恵みとここの家族みんなに感謝したい。

 

昨日全く採れなくても今日山に入る。

どんなに疲れてても山に入る。

すべては楽しみに待ってるお客さんのために、、、

 

その気持ちが痛いほど分かる。

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この辺も紅葉が始まってきた。

そろそろきのこも終わりかな。

ちょっと寂しい。

 

気持ち切り替えて、本業の料理に集中するか、、、

 

 

 

ただひたむきに、、、

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諏訪から1時間。長谷村。

山あいの小さな集落にざんざ亭がある。

ここは山の民宿で地のものを出してくれる。

今の時期なら、きのこ、鹿、猪、岩魚、などなど。

僕と同い年の大将が腕を振るう。

常に食材と向き合いながら、独自の料理を生み出している。

それは料理を口にすれば分かる。

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岩魚をゆっくり遠火で焼きながら骨まで食べさせる。

つきっきりで状態を見極める。

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囲炉裏は何となく落ち着く。

日本人のDNAがそう感じさせるのか?

こんな空間には日本酒が合う。

高遠の地酒と共にゆっくりとした時間を過ごす。

あぁ、なんて贅沢な時間なんだ。

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ただひたむきに、まっすぐに、純粋に物事に打ち込んでいる姿がまぶしかった。

こういう場所にいると自然とそうなるのかも知れない。

 

ここに居た短い時間、僕らの邪心は確かに消えた。

途中経過

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これは何ですか?

これはカビです。

何のカビですか?

生ハムのカビです。

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2月に吊るした豚もも肉が8ヶ月の時を超え

生ハムらしくなってきた。

今日は暑い時期に付着したカビを落とします。

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カビは不思議な生き物。

腐敗と発酵のどちらにも作用する。

人が食べておいしいと感じるカビと腹をこわすカビがある。

それが人間にとって良いカビ、悪いカビという言い方になる。

その差は紙一重と言っていい。

 

そのカビをたわしできれいに洗いながし、タオルでしっかり水分を拭き取り乾燥させる。

もちろん乾燥といってもただ吊るしておくという意味。

これからの時期は湿度も気温も低くなる。

今風で言えばドライエイジングってとこかな。

乾燥によっての熟成である。

 

おいしいものは時間が作り出す。

それを教えてくれるのが生ハムである。